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うもんとりものちょう
右門捕物帖(三)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(三) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 241,558 characters · 480 screens
「たまらねえな。まったくどうもたまらねえな。内藤小町に思い雛とかけてなんと解く、とはどんなもんですかい。それにつけても、おべっぴんさまさまだ。ときどきはこういうのに出会わねえと、ぜんそくが起きるからね。ちくしょうめ、桜の花びらまでがのぼせやがって、ひらひらと浮かれていやがらあ。べっぴんって名をきくてえと、これがまたじっさい妙なものでね――」
「…………」
「ちぇッ。なにも急にそんなに気どらなくたってもいいじゃござんせんか。やけにうれしくなったんだから、いっしょにほがらかになっておくんなさいよ。今も申したとおり、これがまたじっさい妙なものでね。同じ女の子の話でも、べっぴんでねえと気が乗らねえんだ。ぜんそくにべっぴん、のぼせ引き下げにはとうがらしといってね、ときどき持薬にしねえと、胸のつかえがおりねえんですよ。だから、ねえ、だんな!」
「…………」
「やりきれねえな。なんだってまた、きょうはやけにそうむっつりとしているんです? 七つのときから十二年このかた、男雛をかわいがってきたべっぴんなんて、思っただけでもべっぴんべっぴんしているじゃござんせんか。それにまたいっしょにいなくなったお腰元が、しとやかで、すなおで、かわいらしくて、あっしのように主人思いだというんだから、――だんなは小町、あたしは腰元、はええところパンパン