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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 221,941 characters · 435 screens
と見るまに、両名は別々のはしごを伝わりながら、そこの天井から向こうとこっちにぶらさがっている二本の竹棒の上にふんわり身軽くめいめいが乗り移ったと見えましたが、右手に扇子、左手に唐笠を各自巧みにさッと開いて、下座の鳴り物調子に合わしながら、主と寝ようか五千石取ろかを、すべすべとした細い竹棒の上でいともあざやかに踊りつつ、手に汗するようなあぶない棒渡りの空中芸を競演しだしたものでしたから、伝六はむろんのことに、お公卿さまの善光寺辰までが、のっぺりとのどかな顔にぽかんと大きく口をあけながら、すっかり二つの妖花の空中踊りに見とれてしまいました。
けれども、わが捕物名人ばかりは、およそこういうところが品のできの違うところです。ふたりの手下がぽかんと妖花の芸に見とれているのをそこにほっておきながら、やにわにすいと立ち上がると、ずかずかと舞台の上にやっていって、爛々烱々と目を光らしながら、今、梅丸竹丸両名が竹棒の上にのぼるまえ、そこの板の上に残しておいた石灰の粉末のたび跡の大きさを、じいっと見調べました。
ところが、どうもこれがじつに意外中の意外なので、右門の足は九文七分であったのをさいわい、それを標準のものさしにして両名の白い粉の足跡を計ってみると、偶然なことに、梅丸竹丸いずれもが同じように九文三分くらいの大きさでし