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うもんとりものちょう
右門捕物帖(二)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(二) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 221,941 characters · 435 screens
「ほんもののむっつり右門ほどには、化けきれなかったというのかい。あたりめえだよ。また、やすやす化けられちゃ、こっちがたまらねえからな。ところで、気にかかるなあその桜丸だが、こりゃ百面相ッ、どこへしょっぴいていったんだッ」
「それはその……」
言いもよっていたとき、とつぜん伝六がけたたましく叫びました。
「ね。だんな、だんな! だれが何を急いでいるのか、御用ぢょうちんをつけた早駕籠が、こっちへ飛んでめえりましたぜ!」
いううちに、そこへ御用と染めぬいたあかり看板をふりかざしながら、あわただしい駕籠が一丁近づいてまいりましたから、右門が鋭くきき尋ねました。
「ご番所のかたでござるか。それとも、どこぞ自身番のかたでござるか」
「あッ。右門のだんなさまでござりましたか! てまえは吾妻河岸の自身番を預かっている町役人でござりまするが、こちらの芸人だという妙な娘をひとり拾いましたのでな。なにはともかく、取り急ぎこの見せ物小屋へ駆けつけてきたのでござりまするが、ちっと話が変でござりまするぞ」
「よし、わかった、わかった。名を桜丸といやしねえか」
「へえい。よくご存じでござりまするが、でも、妙なことがござりまするぞ。