Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 167,105 characters · 337 screens
左からではない。
右から来て刺さっているのです。左は加賀家の屋敷だが、その右は、道一つ隔てて、すぐに引祥寺のへいつづきでした。
へいを越して、方角をたどって、のびあがりながら寺の境内を見しらべると、ある、ある。距離はちょうど射ごろの十二、三間、上からねらって射掛けるにはかっこうの高い鐘楼が見えるのです。
「よし、もう当たりはついた。騒ぐにゃ及ばねえ。死骸にも用はねえ。若侍もこときれたようだから、仏たちはふたりともおまえらが運んでいって預かっておきな。加賀家から何か苦情があるかもしれねえが、こんりんざい渡しちゃならねえぜ。いいかい、忘れるなよ」
居合わした自身番の小者たちへ命じておくと、その場に鐘楼詮議を始めるだろうと思いのほかに、くるりと向きかえりながら、加賀家外お長屋を目ざして、さっさと急ぎました。
3
「腹がたつね。どこへ行くんですかよ! どこへ! 鐘楼はどうするんです! 矢はどうするんです!」
型のごとくに、たちまちお株を始めたのは、伝六屋の鳴り男です。
「ものをおっしゃい! ものを……! くやしいね。いまさらお長屋なんぞへいったって、むだぼねおりなんだ。