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うもんとりものちょう
右門捕物帖(四)
佐々木 味津三
Read 右門捕物帖(四) (うもんとりものちょう) by 佐々木 味津三 (ささきみつぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 167,105 characters · 337 screens
横から不審な若い男が割ってはいると、これさいわいというように口をはさみました。
「わたくしが申しましょう。あなたさまなら大事ござりますまい。そのかわり、くれぐれもご内密に頼みますぞ」
「そなた何もかもご存じか」
「知っている段ではござりませぬ。その女は、千萩は、なにを隠しましょう。このわたくしの妻たるべき女でござります」
「おいいなずけか!」
「そうでござります。どういうお詮議で塗町の父のほうへ参られましたか知りませぬが、てまえはあの岡三庵のせがれでござります。血を分け合った一粒種の三之助と申すものでござります」
「なに、ご子息!――なるほど、そうか。道理で、さきほど家族しらべをしたおり、ほかに子はない、この娘ひとりきりじゃと、しどろもどろにいった様子がちとおかしいとにらんでおったが、やっぱり隠し子がありましたな。血を分けた実のせがれが家を出て、いいなずけの女が娘同様家におるとは、なんぞ深い子細がござろう。それが聞きたい。どうしてまた、そなたは家を出ておるのじゃ。夜遊びでも高じて、勘当でもされましたか」
「めっそうもござりませぬ。それもこれもみんな、もとはといえば、千萩のこの気味のわるい病気ゆえでござります。