Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
よしわらしんわ
吉原新話
泉 鏡花
Read 吉原新話 (よしわらしんわ) by 泉 鏡花 (いずみきょうか) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 37,157 characters · 75 screens
「閉めていらっしゃいな。」
で、蓮葉にぴたり。
後に話合うと、階下へ用達しになど、座を起って通る時、その窓の前へ行くと、希代にヒヤリとして風が冷い。処で、何心なく障子をスーツと閉めて行く、……帰りがけに見るとさらりと開いている。が、誰もそこへ坐るのでは無いから、そのままにして座に戻る。また別人が立つ、やっぱりぞっとするから閉めて行く、帰りがけにはちゃんと開けてあった。それを見た人は色々で、細目の時もあり、七八分目の時もあり、開放しの時もあった、と言う。
さて、そのときまでは、言ったごとく、陽気立って、何が出ても、ものが身に染むとまでには至らなかったが、物語の猫が物干の声になってから、各自言合わせたように、膝が固まった。
時々灰吹の音も、一ツ鉦のようにカーンと鳴って、寂然と耳に着く。……
気合が更まると、畳もかっと広くなって、向合い、隣同士、ばらばらと開けて、間が隔るように思われるので、なおひしひしと額を寄せる。
「消そうか、」
「大人気ないが面白い。」
ここで電燈が消えたのである。――
「案外身に染みて参りました。人数の多過ぎなせいもありましょう。わざと灯を消したり、行燈に変えたりしますと、どうもちと趣向めいて、バッタリ機巧を遣るようで一向潮が乗りません。