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めいじんちょうじ
名人長二
三遊亭 円朝
Read 名人長二 (めいじんちょうじ) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 67,631 characters · 134 screens
其の頃蔵前の坂倉屋と申しては贅沢を極めて、金銭を湯水のように使いますから、諸芸人はなおさら、諸職人とも何卒贔屓を受けたいと願う程でございますゆえ、大抵の職人なら最上等のお得意様が出来たと喜んで、何事を措いても直に飛んでまいるに、長二は三吉の口上を聞いて喜ぶどころか、不機嫌な顔色で断りましたから、三吉は驚いて帰ってまいりました。助七は三吉の帰りを待ちかねて店前に出て居りまして、
助「三吉何故長二を連れて来ない、留守だったか」
三「いゝえ居りましたが、彼奴は馬鹿でございます」
助「何と云った」
三「坂倉屋だか何だか知らないが、物を頼むに人を呼付けるという事アない、己ア呼付けられてへい/\と出て行くような閑な職人じゃアねえと申しました」
助「フム、それじゃア何か急ぎの仕事でもしていたのだな」
三「ところが左様じゃございません、鉋屑の中へ寝転んで煙草を呑んでいました、火の用心の悪い男ですねえ」
助「はてな……手前何と云って行った」
三「私ですか、私は仰しゃった通り、蔵前の坂倉屋だが、拵えてもらう物があるから直に来ておくんなさい、蔵前には幾軒も坂倉屋があるから一緒にまいりましょうと云った