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めいきょくけっていばん
名曲決定盤
野村 あらえびす
Read 名曲決定盤 (めいきょくけっていばん) by 野村 あらえびす (のむらあらえびす) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 344,837 characters · 680 screens
万歳ッ、とうとうパハマンの文句入りのレコードが出現した。ピアノレコードとしては勿論邪道であるが、大演奏家の奇癖を後の世に伝える意味で、このレコードはなかなか面白い。
演奏もこの二枚は悪くない方だ。その後出たものでは『ワルツ=嬰ハ短調』(DA八六〇)が面白い。十二吋片面の半分で片づけたもので、耳にも止らぬテンポの速さだが、思い入れ沢山に、芝居味をたっぷりに弾いたこの曲には想像も出来ない美しさがある。ラフマニノフのこの曲などは、パハマンに比べると、芝居気が入り過ぎて不愉快でさえある。パハマンの演奏は、陽炎のように舞う五彩の幻の美しさだ。決してレヴューの舞台で見るワルツではない。
『ポロネーズ(作品二六の一)』(DB九三一)も、貴重な美しさを保っている点で、パハマンの後期のものとしては敬服すべきだ。『マズルカ二曲(作品五〇の二、及び作品二四の四)』なども、近頃コロムビアやビクターから出た『マズルカ集』なども、これに比べると教壇のマズルカという感じがするだろう。パハマンの魔術は、老いの征服の下から、妖しくも美しい感傷を作り出す。
その次に売り出されたのは『夜曲=ホ短調(作品七二)』