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しこくへんろにっき
四国遍路日記
種田 山頭火
Read 四国遍路日記 (しこくへんろにっき) by 種田 山頭火 (たねださんとうか) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 15,842 characters · 32 screens
私は五合食べる、大食の方だが、いつも三度に食べるのだから(お弁当を持って出るので)、あたりまえかも知れない、もっとも四国の宿の御飯は他の地方のそれよりも正確で、量が多いことは間違はない。
高知で眼についた看板二三――
安めし、これは適切だ、安宿も適切(木賃宿は普通だが、簡易宿、経済宿はかえっておもしろくない)、かん安売、これはどうかと思う、かんは棺である。
十一月十五日 秋晴、滞在。
早起、身心軽快、誰も愉快そうだ、私も愉快にならざるをえないではないか。
八時から十一時まで行乞、なぜだかいやでいやでたえがたくなって、河原に横ってお弁当を食べたり景色を観たりしても、気分がごまかせない、あちらこちらを無理に行乞して二時帰宿、一杯ひっかけた、財布に五銭、さんやに一合しかない、行こう行こう、明朝はどうでもこうでも出立しよう、絶食もよし、野宿もやむをえない、――放下着、こだわるな、こだわるな、とどこおりなく流れてゆく、――それが私の道ではないか!
今朝、同室のおへんろさん二人出立、西へ東へ、御機嫌よう、御縁があったらまた逢いましょう。
新客一人、野宿のお遍路さんらしい。