Japanese reading practice

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よっかのあやめ

四日のあやめ

山本 周五郎

Read 四日のあやめ (よっかのあやめ) by 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 19,200 characters · 38 screens

Aozora Bunko

主税介はあっと口をあけた。

彼はいまのいままでその事を心配していた。狩りの当日には、徒士組から遠い持場に変えてもらい、衝突の危険を避けようと考えていた。それがすでに起こってしまったという、叔父の口ぶりでは小人数ではないらしい、どうするか。主税介は自分を抑え、おちついた眼で叔父を見た。千世が戻って来た。

「それはいつのことですか」

「早朝のことらしい、有難う」六左衛門は千世から天目を受取りながら云った、「詳しくは知らない、大目付に知らせる者があって、それは一刻ほどまえのことだというが」

「まだやっているのですか」

「いや」と六左衛門は水を飲んだ、さも美味そうに喉を鳴らして飲んで、それから云った、「籠崎大洲でしかじかと注進する者があって、大目付が人数を繰り出し、二の丸から高楷殿も出張されて、どうやらとり鎮めたということだ」

主税介は立とうとした。その中には自分が教えている門人や、親しくしている者が少なくない。とにかくいってみなければならぬ、と思ったのであるが、そのとき城中から、使番が馬で触書を示しに来た。

「城下に争闘をする者があったがすでにおさまった。非番の者、またお召しのない者は、その居宅で静かにしているように」