Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ちきゅうはっきょうじけん
地球発狂事件
海野 十三
Read 地球発狂事件 (ちきゅうはっきょうじけん) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 86,306 characters · 173 screens
断崖の上で超短波の通信装置の組立に従っていた水戸宗一は、ドレゴの方に思いやりのある眸を送って、彼を元気づけた。
「ねえハリ。口惜しがったり、くさったりする前に、君が是非とも果さなければならない義務があるじゃないか」
「なに、義務というと……」
「困るなあ、君は……。君は、この大事件の名誉ある発見者でありながら、まだその義務を世界に向かって果していないではないか。つまり君は、まだこの大事件について、一本の通信も送っていない」
水戸にそういわれると、ドレゴはおおと呻いて顔色を変えた。
「そ、そうだった。自分だけで愕いて、興奮して、騒ぎたてるばかりだった。そうだ。早く第一報を送らないと、誰かにだしぬかれてしまう。水戸、今からではもう遅すぎるかなあ」
ドレゴは、水戸の腕をゆすぶった。そのとき水戸は、通信装置の試験をようやく終ったところだった。
「その心配は無用だ。このヘルナー山頂の見える区域で、超短波の通信機を持っているのは、今のところ僕たちばかりだからね。村人も、もちろん今ではこの怪事件に気がついてはいるが、彼らは通信機関を持っていない。だから僕たちは依然として、第一報を送り得る恵まれた立場にあるのだ。