Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ちきゅうとうなん
地球盗難
海野 十三
Read 地球盗難 (ちきゅうとうなん) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 84,072 characters · 168 screens
それから大隅学士の方にも、同じような自由を与えるかと思って待っていたが、そうはしなかった。彼は大きい失望に暮れた。
「さあ、向うへ歩け。……」
義足の男は、佐々の身体を向うへ突きとばした。俘囚というものが、いかに惨めなものであるかということを、二人の盟友は別々に同じ事を感じ合った。向うへつれてゆかれるのは自分だけだと知って、佐々は大隅の方に別れを眼でつたえた。
――なアに、慨くな!
大隅はそういうつもりで、目に物を云わせた。
佐々はエレヴェーターに乗せられた。岩蔵だけかと思っていたら、辻川博士も一緒にきた。やがてエレヴェーターはゴーッと下に下っていったが、エレヴェーターの停ったのは、地階だった。彼は死刑囚のように、外に引張りだされた。
「おれをどうしようというのだい」
「黙って、歩け!」
岩蔵は憎々しげに、佐々の腰のあたりをドーンとついた。喋るだけ損がゆくようなものだった。
三人は地下道に入った。天井こそ低いが、まるで中ソ国境の名物トーチカの内部のように頑丈にできていた。乾燥した涼しい風がどこからともなく吹いてきて、いい気持だった。だが地下道の行方は何処であろうか。