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とうじょうのきじゅつし
塔上の奇術師/鉄人Q
江戸川 乱歩
Read 塔上の奇術師/鉄人Q (とうじょうのきじゅつし) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 151,766 characters · 303 screens
なっているのです。
淡谷さんの暗号は、SUMI(スミ)というのでした。かわいいスミ子ちゃんの名を暗号にしていたのです。
淡谷さんは、S、U、M、Iという順序で、ダイヤルを回しておいて、もとの席にもどりました。
ふたりのお客さまは、それからしばらく話をしたあとで、いとまをつげて帰りましたが、淡谷さんはなんとなく気になるので、金庫のある書斎にのこって、安楽いすにこしかけ、たばこをすっていました。
すると、部屋のすみにおいてある電話のベルが、けたたましくなりだしたではありませんか。
淡谷さんはなぜか、ハッとしたように立っていって、受話器を耳にあてました。
「淡谷庄二郎さんは、おいでになりますか。」
「わたしが淡谷庄二郎です。あなたは?」
「おじょうさんのスミ子ちゃんの、おしりあいのものです。こうもりのような男とおっしゃれば、スミ子ちゃんには分かりますよ。」
淡谷さんの顔色が、サッとかわりました。ああ、やっぱり、スミ子ちゃんのいったことは、ほんとうだったのかと思うと、にわかに、きみがわるくなってきました。
「き、きみはだれだッ。わたしになんの用事があるのだッ。」