Japanese reading practice

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠1

中里 介山

Read 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) by 中里 介山 (なかざとかいざん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 200,314 characters · 398 screens

Aozora Bunko

金蔵はオロオロ声です。金蔵は生え抜きの悪党ではなく、親に甘やかされた放蕩息子の上りですから、本気になって物を言う時には、お坊ちゃんらしいところがないではない。

「わしばかりではなく、わしの親たちまで、お前さんのために飛んだ苦労をしているのだよ、あの時にお豊さんが、私のところへ来てくれれば、わしも人殺しなんぞをしなくてもよかったのだよ、ねえ、お豊さん」

「…………」

「いいかえ、わしは、お豊さん、兇状持なのだよ、今にも役人につかまれば首を斬られてしまうのだよ、お前の伯父さんを鉄砲で撃ったのもわしだよ、鍛冶倉を殺したのもわしだよ。そんなに悪いことをするつもりはなかったけれども、お前さんという者に迷い込んで、そんな悪いことをしてしまったのだよ、お前さんという人が三輪へ来なければ、わしはこれほどまでに悪い人にはならなかったのだよ」

「ほんとに済みません、わたしが来なければ、よかったのでございます……」

「あ、お豊さん、よく言ってくれた、わしはお前さんに済みませんと言われたのが嬉しい……」

金蔵は、どうしたのか、面を伏せて沈んで涙を拭いているらしいのです。お豊は、どうにもかわいそうになって、