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たいへいようまじょう
太平洋魔城
海野 十三
Read 太平洋魔城 (たいへいようまじょう) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 93,147 characters · 187 screens
ところが三捕は、伏せをするどころか、衛兵の方をみて、げらげらと笑いだしたのである。
衛兵はびっくりして鉄砲をひいた。よく見ると、黄いろい顔をした妙な風体の男が、長いひげをひっぱりながら、こっちをむいてあはははと笑うのである。
三浦は、気が変になったわけではない。例のクイクイの神様に、ちょっと早がわりをしただけのことである。神様になると、妙に気がおちつくのであった。
「待て、ポーリン」
という声とともに、入口に、どやどやと足音がきこえたが、いきなりとびこんできたのは、衛兵長であった。
クイクイの神は、すばやく両手をあげて、降参の意をしめした。
「生き残ったのは、こいつだけか」
と衛兵長は、いって、
「おい、ポーリン。しばっちまえ」
と、命令した。
三浦がしばられている間に、部下の衛兵たちは、ぞくぞくあつまってきた。
「こいつら、一たいどこからまぎれこんだのだろう。それとも、前から、この要塞の中にいたのかな。どうもふしぎだ」
衛兵長は、つぶやいて、
「とにかく司令官のところへ、こいつを引立てよう。さあ、歩け。この長ひげめ!」
三浦は、衛兵長に腰をけられて、いやいやながら歩きだしたが、その時、とつぜん、妙な節まわしで、唄をうたいだした。