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おんなだいがくひょうろん
女大学評論・新女大学
福沢 諭吉
Read 女大学評論・新女大学 (おんなだいがくひょうろん) by 福沢 諭吉 (ふくざわゆきち) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 46,995 characters · 91 screens
夫にして仮初にも人情あらば、離縁は扨置き厚く看護して、仮令い全快に至らざるも其軽快を祈るこそ人間の道なれ。若しも妻の不幸に反して夫が癩病に罹りたらば如何せん。妻は之を見棄てゝ颯々と家を去る可きや。我輩に於ては甚だ不同意なり。否な記者先生も或は不同意ならん。孝婦伝など見れば、何々女は貞操無比、夫の悪疾を看護して何十年一日の如し云々とて称賛したるもの多し。先生の如きも必ず称賛者の一人たるは疑を容れず。左れば悪疾の妻は会釈なく離縁しながら、夫に悪疾あれば妻に命じて看護せしめんとするか。ます/\解す可らず。我輩は屹と其理由を聞かんと欲する者なり。第六多言にて慎みなく云々は去ると言う。此条漠然として取留なし。要するに婦人がおしゃべりなれば自然親類の附合も丸く行かずして家に風波を起すゆえに離縁せよとの趣意ならんなれども、多言寡言に一定の標準を定め難し。此の人に多言と聞えても彼の人には寡言と思われ、甲の耳に寡言なるも乙の聞く所にては多言なることあり。よしや仮令いおしゃべり多言にても、僅に此一事を根拠にして容易に離縁とは請取り難し。第七物を盗む心あるは去ると言う。