Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
やまのじんせい
山の人生
柳田 国男
Read 山の人生 (やまのじんせい) by 柳田 国男 (やなぎたくにお) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 116,022 characters · 226 screens
打たれて遁げければ猟師も帰りぬ。前の猟師此事を聞きて、あな不便の事やとて、猶山深く尋ね入り峰より下を見たるに、此者谷底に倒れ伏し居たるを、同じ様なる者の傍に添ひたるは介抱するなるべし。若し近づきなば他に打たれし仇を、我に怨みやせんと怖しくなりて止みぬ。斯くて後には死にたるなるべしと、後に此事を人に語りしを、人の伝へたりし也。深き山にはかゝる者も有りけるよとて、細井知慎語れり(『視聴草』第四集巻六所録「荻生徂徠手記」)。
巨人の足跡を見て感動した例は、決して支那の昔話だけでない。小田内通敏君が聴いてきて教えてくれた話には、秋田市楢山に住む丹生某氏、狩が好きで方々をあるき、或る年仙北郡神宮寺山の麓の村で、人の家に一泊したところ、一つの紙袋に少しの砂を入れたのが、神棚に載せてあった。主人にそのわけを尋ねると、つい近いころに、山の下を流れる雄物川の岸で草を苅っていると、不意に大きな物音がして、山から飛降りた者がある。よく見たら山男であった。怖ろしいから茅の蔭に隠れていて、のちにその場所に行って見れば、川原に甚だ大きな足跡があった。あまり珍しいこと故、村の人たちを呼んできて見せると、一同は崇敬のあまり、その足跡の砂を取分けて各自の家に持還り、こうして神棚に上げておくのだと答えたそうである。