Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Read 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) by 小島 烏水 (こじまうすい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,795 characters · 274 screens
焚火焚火、人々は手足の関節から、血の循環が一秒一秒止まったように、意識された、今凍えて行くのだということも解る、早くどうかしろと神経が知らせてくれる、誰の顔を見ても、蝋のように白い、マッチ箱は燐寸一本さえ、烟を立てることなしに、空になったほど、何もかも、ビショ濡れになった。
だが晃平一人はウンと踏ん張った、
心配するなッ、犢鼻褌を焚いたッても、お前方を殺すことじゃあねえぞ。
と、その赤銅色の逞ましい顔を、一行に向けて爛とした目から、電が走ったときは、一行に大丈夫という観念を与えた、彼は鉈で杖を裂いた、杖の心まで雨は透っていないから、細い粗朶が忽ち出来る、燻してどうかこうか火が点いた、そうすると白烟が低い天幕の中を、圧されて出る途がないので、地を這いずった、高頭君は息を窒められて、ヒョロヒョロと仆れた、避けようとした私はジリッと焦げ臭く髯を焼かれた、堪まらなくなって天幕の外へ首を出すと、偃松の上は、吹雨の柱が、烟のように白く立っている、また油紙の下へ引ッ込んでしまう、倉橋君は昨夜睡られなかったので、よくよく眠かったと見え、この騒ぎの中にもグッスリ寝込んでいる、白花の石楠花が、この生体のない人の頬に匂っている。