Japanese reading practice

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へいぼん

平凡・私は懐疑派だ

二葉亭 四迷

Read 平凡・私は懐疑派だ (へいぼん) by 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 81,548 characters · 161 screens

Aozora Bunko

になって、倒さになって、

「初めまして……」

二十七

伯母さん――といっては何だか調和が悪い、奥様は一寸会釈して、

「今お着きでしたか?」

「は」、と固くなる。

「何ですか、お国では阿父さんも阿母さんもお変りは有りませんか?」

「は。」

と矢張固くなりながら、訥弁でポツリポツリと両親の言伝を述べると、奥様は聴いているのか、いないのか、上調子ではあはあと受けながら、厭に赤ちゃけた出がらしの番茶を一杯注いで呉れたぎりで、一向構って呉れない。気が附いて見ると、座布団も呉れてない。

何時迄経っても主人が顔を見せぬので、

「伯父さんはお留守ですか?」

と不覚言って了った顔を、奥様はジロリと尻眼に掛けて、

「主人はまだ役所から退けません。」

主人と厭に力を入れて言われて、じゃ、伯父さんじゃ不好ったのか知ら、と思うと、又私は真紅になった。

ところへバタバタと椽側に足音がして、障子が端手なくガラリと開いたから、ヒョイと面を挙ると、白い若い女の顔――とだけで、其以上の細かい処は分らなかったが、何しろ先刻取次に出たのとは違う白い若い女の顔と衝着った。是が噂に聞いた小狐の独娘の雪江さんだなと思うと、私は我知らず又固くなって、狼狽てて俯向いて了った。