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のちのなりひらぶんじ
後の業平文治
三遊亭 円朝
Read 後の業平文治 (のちのなりひらぶんじ) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 109,545 characters · 216 screens
のか」
國「へえ、ところが今いう通り、越後で病気に罹(かゝ)りやしたが、私(わっち)ア一文も銭がねえから可愛想だとは思ったが、お浪を稼ぎに……」
文「なに、お浪を勤めに出したと」
國「へえ、旦那の為にゃア命を助けられた私(わっち)ども夫婦でござんす、身を売るくれえは当り前(めえ)の事です、さア今からお支度なさいまし、江戸へお供を致しやしょう」
文「そうするとお前は、お浪を越後へ置去りにして来たのだな」
國「そんな事は何(ど)うでも宜(い)いじゃ有りやせんか」
文「いや左様(そう)でない、幸いに文治は二度も難船して、九死一生の難儀をしたが、肌身離さず持っていた金は失わぬ、さアこの金子(きんす)でお浪を請出し、そちは後(あと)からまいれ、礼は江戸で致すぞよ」
國「そんなら旦那様、折角の御親切を無にするも如何(いかゞ)、このお金は有難く頂戴いたします、御新造様、随分危険(けんのん)な山路(やまみち)ですからお気をお付けなせえまし」
町「有難うございます、早くお浪さんを連れて江戸へお帰り下さいまし」
文「國藏、心置(こゝろおき)なく緩(ゆっく)りと後(あと)からまいれ、さアお町、もう斯(こ)うなったら