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のちのなりひらぶんじ
後の業平文治
三遊亭 円朝
Read 後の業平文治 (のちのなりひらぶんじ) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 109,545 characters · 216 screens
事をすると片ッ端(ぱし)から打殺(ぶちころ)すぞ」
さア江戸橋魚市(うおいち)の込合(こみあい)の真最中(まっさいちゅう)、まして物見高いのは江戸の習い、引廻しの見物山の如き中に裃(かみしも)着けたる立派な侍が、馬の轡に左手(ゆんで)を掛け、刀の柄(つか)へ右手(めて)を掛けて、
文「さア一歩も動かすことは成らぬ、無法かは知らぬが、此の友之助は決して罪人ではない、その罪人は此の文治だア」
与「これ/\何(なん)であろうと此の通り当人が白状の上、罪の次第が極(きま)ったのじゃ、今となっては致し方がないわ、其処(そこ)退(の)けッ」
文「いかさま無法ではござるが、狂人ではござらぬ、一寸(ちょっと)も放すことは出来ませぬ」
と七人力の文治が引留めたのでございますから、如何(いかん)とも致し方がございませぬ。馬上なる友之助は何事か夢中で居りましたが、暫くして漸(ようや)く我に返りまして、
友「えゝ旦那様でござりますか、お久しくござります」
文「友之助、よく生きていてくれたなア、貴様が此の様な目に逢うとは夢にも知らなんだ、さぞ難儀したろうな、此の文治は自分の罪を人に塗付け、のめ/\生きて居(お)るような者ではないぞよ、目指す