Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
かいとうおう
怪塔王
海野 十三
Read 怪塔王 (かいとうおう) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 167,635 characters · 337 screens
するとまたこんどは急に上むいて、お尻をきりきりふりながら天にのぼっていきます。どこへとんでいくのか、一向にわかりません。まるでよっぱらいの足どりのようでありました。
3
怪塔が、よっぱらいの足どりのように、あっちへとび、こっちへとびしているのも、むりはないことでありました。なぜといって怪塔のなかでは、運転手の黒人が二人の怪塔王のめいめいにさけぶ、まるで反対の命令におびやかされて、あるときは天へ、またあるときは水平にと、めちゃくちゃにとびまわっているのでありました。
そのうちにも怪塔はいつしか、太平洋の上に出ていました。
夕焼の残りのひかりが、だんだんうすくなってきて、いまやあたりはとっぷり暮れようとしています。
塩田大尉は、死力をつくして、空中の怪塔ロケットをおいました。怪塔ロケットがまごまごしているおかげで、塩田大尉機は、ようやくそのそばにちかづくことができました。
「もうすこしだ、がんばれ」
塩田大尉は操縦員をしきりにはげましています。
「舵機をねらえ。こっちの車輪で、あの舵機を蹴ちらせ」
大尉のあとにしたがう各偵察機は、これも大尉の気もちをさとって、われこそ体当りで怪塔ロケットの舵をこわそうと、一生けんめいにおいかけています。