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かいとうおう
怪塔王
海野 十三
Read 怪塔王 (かいとうおう) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 167,635 characters · 337 screens
なぜと言って、この爺さんの一人息子は水兵さんで、いま軍艦にのっているのです。軍艦は大切ですし、一人息子も大切です。
「ようし、じゃあこれからわしが村の衆へ知らせよう。待てよ、早くしらせるには、これから山をくだるよりももっといい方法があったっけ。もっともこれは、天地のひっくりかえるような大事件の時でないと、使ってはならぬと、村の衆とのあいだの申し合わせじゃが、怪塔王が日本の軍艦をめりめりこわすと言うのなら、この非常警報をつかってもかまわんじゃろ」
そう言うと、お爺さんは腰にさげていた鎌をとって、傍に生えていた太い竹を切りおとし、ころあいの長さにして穴をあけました。お爺さんは、なにをこしらえているのでしょうか。
4
「お爺さん、竹を切って、それで一体なにをつくるの」
と、一彦は、お爺さんの手に握られた鎌が、器用に動くのを感心しながら言いました。
「うん、これかね。これはわしの大得意な竹法螺じゃ」
「竹法螺って、なにさあ」
「お前は竹法蝶を知らないのか。こいつはおどろいた。まあ見ているがいい」
そう言ってお爺さんは、五十センチほどの長さに切った竹筒に、しきりと細工をしていましたが、やがてにっこり笑い、