Japanese reading practice

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せんそうざっき

戦争雑記

徳永 直

Read 戦争雑記 (せんそうざっき) by 徳永 直 (とくながすなお) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 12,149 characters · 25 screens

Aozora Bunko

の奪い合いをやったものだ。

私は、力は強かったが、機敏でないため、よく頭に、瘤をつくって、家に帰ったものであった。

また、戦争の光景や、大将、中将の似顔を描いた「ウチオコシ」が非常に流行した。黒木大将や、大山、野津、乃木、瓜生海軍中将などの似顔と名を覚えたのも、その頃であった。

「号外」が時折、けたたましく鈴を鳴らして、くることがあった。鈴の音を聞くと、叔母も母も読めもしない癖に、顔色を変えて狼狽てて買いにやった。私は跣足でたびたび号外売りのあとを追駈けたことがあった。

「勝った勝った九連城」

奉天よりずっと以前だと思うが、九連城が落ちたときに、村人皆んなが狂喜した。私達は「陣地取り」で勝つと、屹度この「勝った勝った九連城」と怒鳴って、手を叩いて踊ったものであった。

村の鎮守の、大樟の頂辺に、大きな国旗が、掲げられた。村の「木昇りの甚さん」が決死の覚悟で、危ないところの頂辺まで上って、その大旗を結びつけたのであった。それは「どうぞ戦争が捷ちますよう、村の出征軍人が、無事に凱旋しますよう!」という祈りのためであったそうだ。

だが、戦死の報は、頻々として相踵いだ。