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かいぜんはあたまから
改善は頭から
丘 浅次郎
Read 改善は頭から (かいぜんはあたまから) by 丘 浅次郎 (おかあさじろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 3,833 characters · 8 screens
三
生活改善に先だつものは、まず頭の改善でなければならぬ。
三
頭の改善というと、誰も第一に教育のことを考えるであろうが、明治、大正を通じて五十何年間の教育は、頭の改善に一体どれだけの役に立ったか。「いろは」をも読めぬ人間は確かに減ったであろう、学校の出席率はだんだん殖えたであろう、大学も高等学校も次第に数が多くなった。昇格した学校も少なくない。学士も博士も有り余って困っている。しかし、頭の改善という点からみると、今日の教育は、私などが小学校にいた明治初年の教育に比べて、なんら優ったところがあるとは思えぬ。明治八、九年の頃には、学校でも家庭でも、私は今日盛んに行なわれているような迷信を、話に聞いたことさえもなかった。たまたま、六白だとか九紫だとかいい出す老人があると、旧弊人として若い者から大いに笑われた。迷信を思う存分に排斥することのできたその頃の教育は、今日から見ると頭の改善にははるかに有効であったように思われる。しかし、その後に至って、頭があまり改善せられては困るような事情でも生じたものとみえて、明治二十二、三年の頃からは、迷信の攻撃に大いに手加減をするようになり、理科の教授には、迷信の打破ということが唱えつづけられているにかかわらず、迷信は次第に跋扈して、終に今日のごとくに、どの新聞紙にもその日の運勢が