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せいだんつきのかがみ
政談月の鏡
三遊亭 円朝
Read 政談月の鏡 (せいだんつきのかがみ) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 54,603 characters · 108 screens
事があるかは知らんが、何の死なゝいでも宜い事と人に笑われる事の有るもの、歳の行かん内は分別なしで困るものさ、実にそれは後に残る御両親のお心根をお察し申します、其の歎きは何の位だか知れませんよ」
筆「はい、何うも御親切に有難う存じますが是には種々深い訳がありまして、名前住所は申し上げられません、どうぞお慈悲と思召してお見逃しなすって下さい」
妻「まア然んな事を云わずに何うか其の訳を聞かせて下さい、私も娘の行方が知れなくなって、それがまア実は家に居た手代の金次郎という者と、まア誠にお恥かしい事だけれども悪い事をして、親にも申し訳がないというので死ぬ気になったと見え、二人共家を出で昨日まで行方が知れません、処が金次郎の死骸だけは分って鉄砲洲で引揚げましたから金次郎の親の家が芝の田町で有りますから旦那と私と行って是々と話すと先方でも一方ならん歎ではありましたが、まだ私の娘の死骸が分りませんので諸方へ手分をして捜している内、何処其処へ斯ういう死骸が流れて来たなどゝ人の噂を聞き、船で彼方此方捜して永代の橋の処まで来ると、今飛込んだ娘があるというから、実は自分の娘と思って慌てゝ船頭に頼んで引揚げて貰った