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せいだんつきのかがみ
政談月の鏡
三遊亭 円朝
Read 政談月の鏡 (せいだんつきのかがみ) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 54,603 characters · 108 screens
武「いやそれは心配には及ばん、明日私が其のお筆さんと云う娘を町奉行所へ訴え出て帰れるようにして遣る、其の金は己が遣ったんだ」
藤「へえー、左様で、それなれば何も仔細無い事で、何かお上でもお疑いがございまして、不正金とか何とか云う事を申すので困りましたが、誠にどうも殿様が下さいましたのなら何も仔細は有りません、孫兵衞さんお前さん一寸御挨拶を」
武「はいお父さんか始てお目に懸ったが実は日外私が数寄屋河岸を通り掛るとお前の娘子が私も親の病中其の日に困り親共には内々で斯様な処へ出て袖乞をすると言って涙を溢して袖に縋られ、誠に孝行な事と感服して聊か恵みをしたのが却って害に成って、不図災難を被せて気の毒で有ったが、明日私が訴えて娘子は屹度帰れる様にして上げるが、名前も明さずに金子を遣った処は誠に済まんが、明日は早々にお筆さんの帰れる様にして上げるから、金子を遣って苦労をかけた段は免して下さい」
藤「何う致しまして、有難い事で、お礼を云いなよ、殿様が下さったんだから心配はない」
孫「はい、誠に有難う、心の中で私は一生懸命に観音を信心致しました、どうも昨夜貴方少しうと/\致しまして夢を見て、観音様が私の枕辺に立って、助けて遣るぞ助けて遣るぞと仰しゃいました、目が覚めますと矢張り宅に寝て居った