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かたきうちふだしょのれいげん
敵討札所の霊験
三遊亭 円朝
Read 敵討札所の霊験 (かたきうちふだしょのれいげん) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 125,950 characters · 249 screens
又「いや昨夜な些とも小増は来ぬて」
婆「誠にねどうも、流行っ妓ですから生憎お馴染が落合ってさ、斯う折の悪い時は仕様がないもので、立込んでね」
又「左様かね、予て聞くが、初会は座敷切りと聞くが全く左様か」
婆「まアね然う云った様なもので有りますから」
吉原の上等の娼妓ならお座敷切りという事も有りましたが、岡場所では左様なことは有りませんが、そこが国育ちで知りませんから、成程そうかと又四五日置いて来ましたが、また振られ、又二三日置いて来たが振って/\振抜かれるが、惚るというものは妙なもので、小増が煙草を一ぷく吸付けてお呑みなはいと云ったり、また帰りがけに脊中をぽんと叩いて、
小増「誠に済まねえのだよ、今度屹度来ておくんなはい」
と云われるのが嬉しく思いまして、しげ/\通いましたが、又市も馬鹿でない男でございますから、終には癇癪を発して、藤助という若者を呼んで居ります。
婆「藤助どん行っておくれ、小増さんも時々顔でも見せて遣れば好いのに、酷く厭がるから困るよ」
又「これ/\袴を出せ」
婆「おや誠にどうもお前はんにお気の毒でね」
又「婆ア此処へ来い、どうも貴公の家は余りと云えば不実ではないか、一度も小増は快く私が側に居った