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しんたからじま
新宝島
江戸川 乱歩
Read 新宝島 (しんたからじま) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 99,590 characters · 197 screens
木の板と棒の先が熱くはなりますが、力がたりないせいか、なかなか火は燃えないのです。火をつくるのには、何か特別の木でなくてはいけないのかも知れません。又火を燃えつかせる枯草も、よほど燃えやすいものでないとだめなのかも知れません。少年達は、何度やっても火が燃えないので、とうとうそのやり方をあきらめてしまったのでした。
そういうわけですから、こんなに色々なものが手に入ったのに、マッチだけがないのは、三人にとって実に残念なことでした。中にも考えぶかい哲雄君は、誰よりもそれを残念がっていました。
「クヨクヨしたってしかたがないよ。そんなことより、早くごはんを食べようじゃないか。白いお米のごはん、おいしいだろうな。……君たちだって、おなかがすいているんだろう」
無邪気な保君は、もうがまんが出来ないという調子で、さいそくしました。いつかは、海賊船からバナナやビスケットを持出した保君です。食べることにかけては、人一倍熱心なのです。
「またター公の食いしんぼうがはじまった。君、そんなこといったって、お米をどうして焚くんだい。火がなけりゃ、ごはんは出来ないじゃないか」
一郎君がたしなめるようにいいますと、保君はハッと気づいて、頭をかきました。