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めいじびじんでん

新編 近代美人伝 (上)

長谷川 時雨

Read 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) by 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 129,076 characters · 256 screens

Aozora Bunko

湯女、遊女、掛茶屋の茶酌女等は、公然と多くの人に接しるから、美貌はすぐと拡まった。

当世貌は少しく丸く、色は薄模様にして、面道具の四つ不足なく揃へて、目は細きを好まず、眉厚く鼻の間せわしからずして次第に高く、口小さく、歯並あら/\として白く、耳長みあつて縁浅く、身を離れて根まで見えすき、額ぎはわざとならず自然に生えとまり、首筋たちのびて、後れなしの後髪、手の指はたよわく、長みあつて爪薄く、足は八文三分の定め、親指反つて裏すきて、胸間常の人より長く、腰しまりて肉置たくましからず、尻はゆたかに、物ごし衣装つきよく、姿の位そなはり、心立おとなしく、女に定まりし芸すぐれて万に賤しからず、身にほくろひとつもなき――

と井原西鶴はその著『一代女』で所望している。

明治期の美女は感じからいって、西鶴の注文よりはずっと粗っぽくザラになった(身にほくろ一つもなき)というに反して、西洋風に額にほくろを描くものさえ出来た。

徳川期では、吉原や島原の廓が社交場であり、遊女が、上流の風俗をまねて更に派手やかであり、そして、女としての教養もあって、その代表者たちにより、時代の女として見られた。