Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
Read 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) by 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 138,172 characters · 277 screens
を発表当時ほど言文一致派の気焔は上らないで、西鶴研究派の方が、頭角を出して来たうえに、言文一致は、二葉亭四迷の「浮くさ」の方が、山田より前だのあとだのと論つらわれたり、幸田露伴の「五重の塔」や「風流仏」に、ぐっと前へ出られてしまってはいたが、美妙斎の優男に似合ぬ闘志さかんなのが、錦子には誰よりも勝ったものに見えもすれば、スタイルも好きだった。
「先生。」
と、彼女は、離れともない思慕もまじえて、
「あたくし、一生懸命になります。当今どんな方たちが、女で、小説をお書きになってらっしゃいます。」
座蒲団の隅を折りながら、うつむきがちに、それでも、ハッキリと言った。
「さあ! 樋口一葉という人が、勉強しているというが――三宅龍子、小金井喜美子、若松賤子――その人たちかな。あなたのように、書こうとしている女はあるでしょうよ。」
「その方たち、どういう方なのでございます。」
「小金井喜美子さんは、森鴎外さんの妹さんです。」
「あ。あの『舞姫』をお書きになった、鴎外先生の?」
「小金井さんは、ふらんすの翻訳。若松賤子は英語もので、両方とも強かりしている。若松賤子は明治女学校の校長さんの夫人で、巌本嘉志子というのが本名だ。