Japanese reading practice

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とりをとるやなぎ

新編 風の又三郎

宮沢 賢治

Read 新編 風の又三郎 (とりをとるやなぎ) by Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 23,750 characters · 49 screens

Aozora Bunko

入口でばたばた雪を落して、それから例のあいまいな苦笑をしながら前に立つ。

「どうだい。今日は気分がいいかい。」

「はい、ありがとうございます。」

「いいのかい。大へん結構だ。たべ物は美味しいかい。」

「ありがとうございます。大へんに結構でございます。」

「そうかい。それはいいね、ところで実は今日はお前と、内内相談に来たのだがね、どうだ頭ははっきりかい。」

「はあ。」豚は声がかすれてしまう。

「実はね、この世界に生きてるものは、みんな死ななけぁいかんのだ。実際もうどんなもんでも死ぬんだよ。人間の中の貴族でも、金持でも、又私のような、中産階級でも、それからごくつまらない乞食でもね。」

「はあ、」豚は声が咽喉につまって、はっきり返事ができなかった。

「また人間でない動物でもね、たとえば馬でも、牛でも、鶏でも、なまずでも、バクテリヤでも、みんな死ななけぁいかんのだ。蜉蝣のごときはあしたに生れ、夕に死する、ただ一日の命なのだ。みんな死ななけぁならないのだ。だからお前も私もいつか、きっと死ぬのにきまってる。」

「はあ。」豚は声がかすれて、返事もなにもできなかった。

「そこで実は相談だがね、私たちの学校では、お前を今日まで養って来た。