Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ひはかがやけり
日は輝けり
宮本 百合子
Read 日は輝けり (ひはかがやけり) by 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 76,445 characters · 152 screens
出戻りとかいう名を冠せられることが、恐ろしかったのである。病気になった始めから、ただその一事をどのくらい気に悩んでいるかを知っている浩は、よけい心配した。けれども若し、自分が云い出したばかりに、そうまでは思っていなかった年寄達に、ほんにそうだなどと思い出されることがあってはいけない、やはり彼は口を噤んでいるほかなかった。
話はかなり進行した。それにつれて、咲二も体が弱いから、ちょうど早生れなのを幸い、来年の四月頃まで、一緒に田舎で、のんきにさせて置いた方が好かろうということになった。
子供に別れて、独り帰国することには、気ののらなかったお咲も、息子を連れてというのに心を動かされた。その上、今通っている学校は、名高いには違いないが、好い家の子ばかり行くので、何かの振合――たとえば、何やかやの寄附だとやら、いうことだけでも、身にあまることだのに、ないないにはずいぶん御機嫌伺いが行われているので――月謝ばかりですむものではない。それこれもあるので、退かせたいと思わないでもなかったので、大変好い機だとも思った。久し振りで、のびのびと眠るだけも眠てみたいなどとも感じて、行こうと思ったり、また思いなおしたりして、決定するまでにはずいぶん暇がかかったのである。