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にちにちへいあん
日日平安
山本 周五郎
Read 日日平安 (にちにちへいあん) by 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 28,297 characters · 56 screens
十郎太は旅嚢をひらいて、一通の封書をみつけ、中から巻いてある紙を取出した。
「これをみて下さい、それから説明します」
菅田平野は受取って披いた。それには次のようなことが書いてあった。
斬込隊指揮
井坂十郎太
寺田 文治 (馬廻七十石)
保川英之助 (徒士目付五十石余)
河原 源内 (同三十五石)
城がかり指揮
守島 仲太 (鉄炮組支配七十石)
関口兵次郎 (櫓番五石余)
八田益太郎 (徒士組番頭六十石)
三方木戸
寺田乙三郎 (文治の弟)
広瀬 半六 (鉄炮組番頭五石余)
島口 存平 (徒士頭五十五石余)
この連名には血判が押されてあり、奸臣誅殺の趣意が書いてあった。
「斬込隊は各分担の奸物を斬る」と十郎太は説明した、「――木戸というのは城下町三方の口を押え、城がかりは大手、西、搦手の三門を固める、こういう手筈で、各組とも三十人から五十人の部下が集まる予定でした」
「なるほど」と菅田平野が云った。「――なかなかこれはゆき届いたものですな、ええ」
そして彼はまたじっと考えはじめた。
陸田城代は自白書を書くだろうか、「日日平安」などという暢気な人だから、高をくくって書くかもしれない。