Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
にちにちへいあん
日日平安
山本 周五郎
Read 日日平安 (にちにちへいあん) by 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 28,297 characters · 56 screens
「するとまた来るかもしれないな」
「そうありたいもんです」と菅田平野が云った、「――陸田夫人と令嬢に付いているのが二人、ここに二人とすると、門を看視している二人のほかに邸内にもう一人いる筈ですからね、こいつが捜しに来てくれればずっと手間が省けるわけです」
「みんな押えるつもりですか」
「それが第一着手です、しかしそちらの方がたに紹介して頂きましょうか」
十郎太は彼を五人にひきあわせた。
寺田文治と(その弟の)乙三郎はよく似ていた。兄よりも乙三郎のほうが背丈も高く、筋骨もたくましいようだが、むっとした顔だちや、切り口上な言葉つきなどはそっくりであった。河原源内はやや肥えた小柄な若者で、眼や口もとにあいそのいい微笑をたたえているが、その微笑はむしろ短気で手の早い性分をあらわしているようにみえた。保川英之助は色が黒く眼が大きく、毛深いたちとみえて口のまわりから顎から両の頬まで、剛いざらざらした髭が生えていた。彼は毎朝きちんと剃刀を当てるが、日が昏れるじぶんにはもうそんなふうに伸びるのだそうで、夜になって人と会うときなどは、夕方もういちど剃らなければならないということであった。