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じょきゅう
日本プロレタリア文学集・7 細井和喜蔵集
細井 和喜蔵
Read 日本プロレタリア文学集・7 細井和喜蔵集 (じょきゅう) by 細井 和喜蔵 (ほそいわきぞう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 16,732 characters · 33 screens
第二、如何に楽な仕事だからとて勤務時間に制限が無く、二時三時の深更まで起きていることは工場の深夜業と略ぼ同じ害があってよくない。第三、住込制度とは無限服役を強いる為めに必要なのであるから無論奴隷的悪制度である。で、以上の三項を根本的に改革して有給通勤祝儀廃止制を採って女給やお座敷女中は全然酌をせぬことにし、客の側にへばりついていないことにして店の営業時間を一定さえすればいいのである。そしてこれ位なことは其筋の飲食店取締規則の改善に依っても容易に実行され得る性質のものであるが、それをしないのは要するに女給の自覚が足りないからだ。
こうした不合理な制度は幾万の若き女性を苦めているか? そして此のあやまった制度が作り出した環境の為めに、幾万の女性が堕落の淵へ沈んで行くことぞ? 登恵子は自分をもこめた女というものの、無力が腹立たしかった。そうして利害を共通する女給や仲居や女中の組合が緊要なことを思わずにはいられなかった。(男性の悪徳浮薄を改革するものは先ず我々の働きであらねばならん、)と。
四月に入って良人の病気は余程よくなった。まる三ヵ月の間に登恵子が払った精神的犠牲は大きなものであったが、でも良人の重病をよくしたことが責めてもの償いである。