Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
Read 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) by 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 192,678 characters · 394 screens
「それもそうだが、裁判の紛糾を横あいから往って、裁判所で両方を撲りつけて、金を執るなんざ、あんまりなあ」
松山は周囲に注意した。店員風の壮い男と、会社員風の洋服男が来て擦れちがおうとしていた。松山は叱と云って半ちゃんに注意した。
「つまらんことを云うのは、よせよ、聞かれるぜ」
半ちゃんは口をつぐんで苦笑した。松山は話をかえた。
「半ちゃん、車がほしいな」
「そうだ、車があるといいな」
「川崎屋へでも往きたいなあ」
「川崎屋は面白くねえや、やっぱり松浅だよ、それに自由も聞くじゃねえか」
「そりゃ判ってるが、遠いや」
「なにすぐだよ」
「かなりあるぜ」
「そりゃ、すこしは遠いが、大将が来るからな」
「だから、まあ、往くようなものさ、この雨の中をぴちゃぴちゃ歩くのは気が利かないや、それに癪じゃないか、俺だちに婆あと馬の脚の番をさしといてよ、大将はふざけてるぞ」
「しかたがねえや、そこが仮父の役得だ」
「そりゃそうだよ、だからはやく仮父にならなけりゃいかんぜ」
「そうとも、おめえは、乃公とちがって、学があるから、すぐ仮父になれるさ、岡本さんの後は、おめえがつぐんだ」
「ついでもいいが、乃公は、こんな狭い日本じゃだめだ、満州へ往って、馬賊にでもなろうと思ってるのだ」