Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
にっき
日記
宮本 百合子
Read 日記 (にっき) by 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 27,379 characters · 56 screens
呉茂一氏は古典専門家としてギリシアのヘタイラ(女友いまの娼婦)のことをかき西紀前三〇〇年有名だった歌妓ラミアーが武勇並びなかったデーメートリオスにおくる手紙を(恋文)紹介していられる。
そのラミアーの手紙というのが、おそろしく曲線的な身をよじる現代女言葉でかかれている。ここから二つの疑問が出る。
ギリシア語に、こんな「わたくしとしたことが」という風な、また「お手許から多分におつかわしいただけましたらば、と申しますのも」という云いまわしがあったのだろうか。そしてギリシア語にも女言葉があったのだろうか。あんなに字を少ししかつかわなかったギリシア時代に?
もう一つは、ギリシア語にはそれほど著しくない女言葉の身をもむ風情を、呉氏は釈訳の文章で使っていられるのだろうか。という疑問である。
そして、もっとおどろいたことは、この『婦人公論』にのっている太田静子という若い女のひとの「斜陽の子を抱きて」という文章の曲線と、呉氏のギリシア歌妓の恋文の曲線とがよく似ていることである。
そして更に、こうして見ると太宰という作家がもっていた魅力は、女言葉的魅力であったことがうなずけるのだった。