Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
にっき
日記
宮本 百合子
Read 日記 (にっき) by 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 61,953 characters · 124 screens
午後から坪内先生の御宅へ行く。三年振りで。一寸見て、いかにも頭髪がうすくほやほやになり老年らしく御なりになった。種々の話。全集を自分で出す気がしないこと、七八年は一つ仕事にたずさわり、「桐一葉」が初めて上場されたのは十年目、「新浦島」を書かれてから十七年経ったのだそうだ。「ページェント」もうまく行かないと云うこと。大阪の方が新しい仕事の芽を育てるに都合よいと云うことなど。
先生は、私に苦労するがよいと仰云る。死ぬか生きるかの目に会わなければいけない。自分は一度もそんな目には会わないで来たから、浅薄なのがなお浅薄になった、などと云われた。先生は分って居られるのだけれども、性格的にどこか其処まで行けないものがあるのではないだろうか。淋しい方だと思う。「我ページェント劇」を頂いて来る。
夜、肴町へ行き、玄関に置く壺を買う。何か、ふたのある梅干にでも使うらしいのだけれども、置けば、なまじっかのより却ってうまみがある。
「我ページェント」作品のみを読み、興深し。
あれが、一般に行われないのは、一つは日本人の共力の乏しい点、表情、音楽的素養が一般に少い点にあるのではないか。