Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Read 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) by 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 158,045 characters · 322 screens
昼間よりも、田圃みちを人が通っている。
谷中芋坂の名物羽二重団子がアンポンタンのお茶受けに好きだった。その団子屋の近くは藤木さんの住居になった寮だ。腰障子の土間の広い、荒っぽい材組で、柱なんぞも太かったが、簡素な造りで、藤木さんは手拭ゆかたを着て、目白をおとりにして木立に小鳥籠が幾個かかけてあった。瑠璃の朝顔が大輪に咲くのを自慢した。
朝顔を見にいった朝は、なんでも朝飯を食べていってくれと夫婦していった。それは私に代表させた私一家へ対しての、夫婦の感謝だったのかも知れない。子供だけれど潔癖だからと、白い御飯を光るように炊いてだした。お豆腐の上に、まっ青な、香の高い紫蘇の葉がきざんで乗せてあるのが私をよろこばせた。
「妙なものが好きだ。」
夫婦は私のお膳の前にいて、煽いでくれながらいった。
「お豆腐のきらいなのは知っているから、どうしたら好いかと心配したのだった。青いものが好きだから気に入るかと思って――」
木の枝にかけわたした竹棹に蔓がまきついて、唐茄子が二ツなっていた。
「朝顔につるべとられて――とかなんとかいうが、おやっちゃん、宅じゃあね、あれごらん、唐茄子に乾棹とられてだよ。