Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

こんぶとろ

昆布とろ

北大路 魯山人

Read 昆布とろ (こんぶとろ) by 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 2,252 characters · 5 screens

Aozora Bunko

昆布とろというのは、昆布とかつおぶしの煮だしだけでつくるとろろ汁である。夏の朝、食事の進まないようなとき、あるいはなにを食っても口が不味いとき、またはなにも口に運ぶ気が起こらないときなどに、これをこしらえて熱い御飯にかけて食うと、まずは大概美味い美味いで、日ごろの三杯飯は、知らず知らず五杯飯になること請合いである。

製法は極めて簡単だが、美味しく食うことの根本は、材料の選択の如何である。昆布のことは、京、大阪では心配はないが、東京となると、どこにでもあるというわけにはいかない。

由来、東京人は昆布の味を知らない。だから昆布だしの味というものを解しない。従って昆布を使わない。それゆえ、あまり方々で売ってないということになる。東京人の舌は、そう言ってはわるいが、すこぶる杜撰なものである。落着いた味、静かな味、淡い味を知るには、あまりにも荒っぽすぎる。だから東京好みは俗になりやすいのである。例えば、くどい味、油っ濃い味、粗野な味、手っ取り早い味、落着かないせかせかした味、甘ったるい味というところに嗜好が動く。

論より証拠、東京っ子は今もなおてんぷらが好きだ。