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なりひらぶんじひょうりゅうきだん

業平文治漂流奇談

三遊亭 円朝

Read 業平文治漂流奇談 (なりひらぶんじひょうりゅうきだん) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 159,974 characters · 317 screens

Aozora Bunko

お馴染(なじみ)のお話でございますが、何卒(なにとぞ)相変らず御贔屓(ごひいき)を願い上げます。頃は安永年中の事で、本所(ほんじょ)業平村(なりひらむら)に浪島文治郎(なみしまぶんじろう)と云う侠客(きょうかく)がありました。此の人は以前下谷(したや)御成街道(おなりかいどう)の堀丹波守(ほりたんばのかみ)様の御家来で、三百八十石頂戴した浪島文吾(なみしまぶんご)と云う人の子で、仔細あって親諸共(もろとも)に浪人して本所業平村に田地(でんじ)を買い、何不足なく有福に暮して居(お)りましたが、父文吾相果てました後(のち)、六十に近い母に孝行を尽し、剣術は真影流(しんかげりゅう)の極意を究め、力は七人力(にんりき)あったと申します。悪人と見れば忽(たちま)ち拳(こぶし)を上げて打って懲らすような事もあり、又貧乏人で生活(くらし)に困ると云えば、どこまでも恵んでやり、弱きを助け強きを挫(くじ)くという気性なれども、至極情(なさけ)深い人で無闇に人を打(ぶ)つような殺伐の人ではございません。只今の世界にはございませんが、その頃は巡査と云う