Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

かしゅう『ぎょうじつ』のちょしゃに

歌集『仰日』の著者に

宮本 百合子

Read 歌集『仰日』の著者に (かしゅう『ぎょうじつ』のちょしゃに) by 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 1,558 characters · 4 screens

Aozora Bunko

過日『仰日』ならびに『檜の影』会からお手紙を頂き重ねてあなたからのお手紙拝見いたしました。『仰日』を拝見して、短歌については素人ですが一つ二つ感想を申上ます。

わたくしは一人の読者として『仰日』におさめられている多くの生活の歌につよく心をひかれました。父をうたい祖母を語り、故郷の生活について描いて来た作者が、妻を得て、そこに独特のいつくしみ合いをもって生きつつある歌の数々は、『仰日』をつらぬく紅い糸のようです。うたわれている妻なるひとが、どんなにまめやかであり、自然なこころもちの婦人であるかということや、独特の夫妻としてのつながりのうちに、微妙な情愛のゆきかいのあることなどが、しみじみと感じとられます。夫婦が、たすけあって畑仕事をしたりしているところの歌は、世間のどの歌人もふれ得ない境地に立っていると感じました。

わたくしは、小説をかく者ですから、『仰日』をはじから拝見しながらも、いつかそれを生活的に立体化して感受し、日々の生活の描写にまじえて、自然鑑賞の歌をうけとるという工合になります。生活の歌はほとんどすべて率直であって、その瞬間の真実に立って独自です。