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むさしたびにっき
武蔵旅日記
山中 貞雄
Read 武蔵旅日記 (むさしたびにっき) by 山中 貞雄 (やまなかさだお) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 12,659 characters · 27 screens
と訊かれて室の隅で、団九郎、変な顔。
武蔵が、
T「今先生に
柔道の稽古を
致して貰いました」
まァとおしま。
武蔵が、
T「今の物音は
拙者が
投げられました音」
と言われておしまが、うっとりと、
「まァ
T「お強う御座いますのね
先生は?」
団九郎先生、投げられて腰が痛いが、泣くに泣かれぬ苦笑い。(F・O)
S=街道の朝
団九郎とおしま、後から武蔵がお供する。
団九郎、おしまに、
T「拙者の顔は
女にもてんと
申しおった」
まァとおしまが、
T「だって先生
此処に一人
そのお顔に」
と団九郎に寄り添って、
T「ぞっこん
惚れた女が
あるじゃ
御座いませんか?」
と言う。
団九郎、すっかり悦に入ってしまった。
おしま、草鞋の紐が解けたので、
立ち止った。
団九郎と武蔵は先へ行く。
おしま漸く紐をしめ直して立ち上った時、
一人の侍とすれ違った。(門人数名を供に連れている)
こらッと、その侍白倉源五左衛門、おしまの腕を掴む。
おしまの手に白倉の紙入れ。
奪い返して白倉が、おしまを突き倒す。
倒されたおしまが、
T「畜生、
吠え面掻くなッ」
ナニッと白倉。
おしまが、