Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
うみのまぼろし
海のまぼろし
小川 未明
Read 海のまぼろし (うみのまぼろし) by 小川 未明 (おがわみめい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 1,642 characters · 4 screens
浜辺に立って、沖の方を見ながら、いつも口笛を吹いている若者がありました。風は、その音を消し、青い、青い、ガラスのような空には、白いかもめが飛んでいました。
ここに、また二人の娘があって、一人の娘は、内気で思ったことも、口に出していわず、悲しいときも、目にいっぱい涙をためて、うつむいているというふうでありましたから、心で慕っていた若者のいうことは、なんでもきいたのであります。
「その指にはめている、指輪をくれない?」と、あるとき、若者がいいました。
彼女は、ほんとうに、若者が、自分を愛しているので、そういったのだろうと思って、指にはめている指輪をぬいてやりました。それは、死んだお母さんからもらった、だいじにしていたものです。
その後のこと、あるうららかな日でした。
「こんど、遠い船出をして、帰ってきたら、結婚をしようと思っているが、だれか、約束をしてくれる女はないだろうか。」と、若者がいいました。彼女は、もとより驚きました。そして、恥ずかしさのために、ほおを赤くして、うつむいていたのであります。
彼女にくらべて、友だちの娘は、平常、はすっぱといわれるほどの、快活の性質でありましたから、これをきくと、すぐに、