Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
のりのちゃづけ
海苔の茶漬け
北大路 魯山人
Read 海苔の茶漬け (のりのちゃづけ) by 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 1,574 characters · 4 screens
のりの茶漬けは至極簡単だが、やっている人は少ない。缶詰や壜詰になっているのりの佃煮には、いい香りのものは見られない。一年も二年も経って日増せになったのりとか、青のりのまじった生のりの屑だとか、言わば廃物をもって拵えたのが缶詰や壜詰ののりの佃煮である。悪いのになると、大部分青のりであるから、青のりの臭みと味とに満ちている。
ほんとうに美味しいのりの佃煮が食べたい人は、売りものにろくなものはないから、自前でつくるよりほか仕方がない。
自分で拵えるのは、生のりの採れる時分に、生のりを生醤油でごとごと、とろ火で煮つめることだ。生のりの手に入らぬ土地の人は、もらいものの干しのりなどを醤油で煮ればよい。煮つまらなくて、醤油がだぶだぶしているような煮方は不味い。そのねちねちと煮えたやつを、熱い御飯の上にのせて煎茶をかける。それに少量のわさびを入れる。それだけでいいので、のりの茶漬けほど簡単なものはない。酒の後などで食べるには、至極適した茶漬けと推奨できる。
この茶漬けをぜいたくに食べようと思う場合は、なるべくいいのりを惜し気もなく使うべきである。のりがよければよいだけの美味さがあるから、味をやかましく言う者は、できるだけ上等ののりを煮るがいい。