Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Read 火星兵団 (かせいへいだん) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 307,889 characters · 618 screens
だからそれだけに驚きはひどかった。――立直ろうとする時、又もや、
ひゅうん。
と唸りごえが聞えたかとおもうと、千二少年は背中を、どすんと強くなぐられた。
「ううむ」
つづけざまの、不意打の襲撃だった。何も見えないまっくら闇の中で、おもいがけない見当から、なぐられたり、つきとばされたり、ひどい目にあった。しかも相手は、何者だか、まるっきりわからない。千二は、はあはあ息をついていたが、そのうちに何者かが、すぐ目の前をとおりすぎるようなけはいを感じたので、思いきって、
「やっ」
とさけぶと、ここぞと思う見当に向かって、とびついた。
すると、はたして手ごたえがあった。
「うぬ、もうにがさないぞ」
千二は、どなった。そうして、しっかりとおさえつけた。その相手というのは、何者であったろうか。とにかくそれは、手ざわりだけでは、苔がはえた土管のような気がした。生き物のようではなかった。
まったく妙な手ざわりである。苔がはえた土管のように、上はぬるぬるしていて、しかもたいへん固いのであった。それが、千二が闇の中でとらえた相手であった。その形はくらがりのことで、はっきり見えない。