Japanese reading practice

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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

Read 火星兵団 (かせいへいだん) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 307,889 characters · 618 screens

Aozora Bunko

先ほど警視総監の前で、モロー彗星が、やがて地球に衝突すると聞いてからは、宇宙というものを、あらためて見なおさないわけにはいかなくなったのだ。

昨日までのわが捜査課は、主として日本内地だけをにらんで仕事をしておればよかった。ところが、今日からは、大江山課長は、地球の外に果てしなくひろがる大宇宙にまで目を光らせなければ、すまないことになったのである。

(火星兵団? そうだ。これをあらためて考えなおす必要がある!)

しかも、課長の驚きはそればかりではない。蟻田博士は、火星兵団員というものがあると言放ったのだ。そうして、この間から、捜査課をあげて、みんなで手わけして大童で探しているあの怪人丸木が、その火星兵団員だという蟻田博士の言葉は、二重三重に大江山課長を驚かせ、そうして、彼のあたまを、ぼうっとさせてしまった。

「ふうん、たいへんなことになった」

と、課長はとうとう本音をはいた。

「早く千二少年に会わせて下さらんか」

と蟻田博士は、白い髭の中から唇を動かした。

「ええ」

と、大江山課長は返事をしたが、千二少年は、もうこの警視庁にはいないのである。

そのことを博士に言うと、博士はたいへん怒った。