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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
Read 火星兵団 (かせいへいだん) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 307,889 characters · 618 screens
「博士、ぼくのことなら、心配いりませんよ」
「よろしい。みんな、それでよろしい。今ここで、火星兵団を叩きつぶさないと、地球人類は、かれらの奴隷とならなければならんのじゃ。しっかりいこう」
ふしぎなのは、蟻田博士という人であった。おかしな学者といわれた人物でありながら、こうして、火星兵団とたたかっているところをみると、どうみても、千軍万馬をひきいる無敵の老将軍のおもかげがある。たのもしいかぎりである。
かんがえてみるのに、蟻田博士は、たいへん、かわった学者であった。博士は、あたりまえの学者とは、全くちがう道をとおってきた大学者であった。
博士は、ずいぶん前から、地球人類が、地球外の生物から、このように、はげしい攻撃をうけることをしっていたのである。そうして博士は、そのことを、世の人々に、それとなく注意したのであるが、だれもそれに耳をかす者がいなかった。やむなく博士は、他人をたのみにせず、自分ひとりで外敵にあたろうと、決心したのであった。
博士のながいあいだの苦労が、今ここに実をむすんで、うまく外敵をけちらすか、それとも、外敵のため、博士も、他の人間とおなじように、こっぴどくやっつけられるか、二つのうちの一つが、今きまるところなのだ。