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はいいろのきょじん
灰色の巨人/魔法博士
江戸川 乱歩
Read 灰色の巨人/魔法博士 (はいいろのきょじん) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 156,085 characters · 312 screens
すると、その男は、機械のような歩きかたで、こちらに近づき、二少年の前に立ちどまると、ロウのような顔の口だけを、パクパク動かして、なにか、しゃべりはじめました。その声が、また、歯車のきしるような、じつに、いやあな声なのです。
「魔法博士が、きみたちを呼んでいる。ぼくが、案内するから、いっしょに来なさい。」
それをきくと井上少年は、思いきってたずねてみました。
「魔法博士って、何者です? どうしてぼくたちを、こんなうちへつれてきたんです。」
すると、男はまた、口だけを動かして答えました。口のほかは、すこしも動かず、目は、まっすぐ前を見つめたまま、一度も、少年たちの方を見ないのです。
「それは、魔法博士にききなさい。魔法博士にあえば、すっかりわかるのだ。」
少年探偵団は、いつか、魔法博士というふしぎな人物と、黄金のトラを盗みだす知恵くらべをしたことがあります。あの魔法博士なら、悪人ではありません。このうちにいる魔法博士は、あの人と同じなのでしょうか。いや、どうも、そうではなさそうです。名まえは同じでも、まったくべつの魔法博士にちがいありません。
ノロちゃんは、ただふるえているばかりですが、井上君はしっかりした少年ですから、その魔法博士にあってみようと思いました。